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八丈島


10月。

今年はまだ、東京でも暖かさの残る気候の中、常春の島とも言われる八丈島に、
1人、行ってきた。(※八丈島も東京です。)

東京から300kmほど離れた太平洋に浮かぶ島、八丈島で僕は生まれ、少しだけ育った。
海洋性の温暖な亜熱帯気候で、東京とはいえ山は紅葉しない。幼い頃に23区に引っ越した為、それを知ったのもつい最近の事。

八丈島ブランクを埋めるように、島に向かう前、“八丈島”というキーワードで画像検索をした。するとパッと表示される画面が一面青く染まる事に気付く。空と海の青。

僕はこの風景をずっと忘れることができない。海岸へ向かう道の向こうに見える空と海。真っ白に明るい太陽の日差しを受けて、水平線が見えなくなる。空と海が1つになる風景。
 
今回、改めて驚いたのは東京からのアクセスの良さ。(※八丈島も東京です。)
島へ渡る方法は、羽田空港からの空路(1日3便)、竹芝桟橋からの海路(1日1便)の2通りがメジャーだけど、特に飛行機は便利で、フライト時間はたったの40分ほど。自宅から八丈島空港の到着ロビーまでちょうど2時間で行けてしまった。(大型船だと10〜12時間。船内で1泊が必要。友人との旅行には良さそう。)

1960年代には「日本のハワイ」と謳われ(実際、ハワイのマウイ島は姉妹都市)、観光業で賑わったという。道路沿いには大きなヤシの木、ハイビスカスの花が咲き乱れ、海水の透明度は50mを超える。

そう、代々菊池家では八丈島はハワイ、トコブシはアワビと教わってきた。今後もその慣習は是非引き継いで行きたい。
と、せっかく話が逸れたので、もう少し逸らして「八丈島あるある」を。

“八丈島は『ひょっこりひょうたん島』のモデルである”

これは、もはや言い伝えとも言える「八丈島あるある」だ。(『ひょっこりひょうたん島』って何?って話にすり替わっちゃうあるあるもある。)

僕も島を離れてからと言うもの、さぞ自慢気に八丈島の説明に付け加えていたわけだけど、実は『ひょっこりひょうたん島』を知らない世代。つい最近になってハテサテと検索してみると、なんと『ひょっこりひょうたん島』のモデルだと主張する島が他にも多数ある事を知ってしまった…。岩手県、広島県、湘南江ノ島、グアム、ニカラグアなどなど、至る所に自称『ひょっこりひょうたん島』が。中には島の名前が『瓢箪島』(←ヒョウタンジマ)なんてツワモノまで。

ムム、
“八丈島は『ひょっこりひょうたん島』のモデルではない!?”

揺らいだ伝説に少し怯んだけど、どうやら作者側はモデルの島について明言していない様子。
ホッと胸を撫で下ろす。

僕はこんなあやふやとも言える、「諸説」やら「伝説」やら、はっきりとしない歴史がロマチックで好きなんだと思う。
この時代に残るアレコレを、引っ張り出したりくっつけたりして物語になる。
実はラム酒においても似たような背景があって、ラム発祥の地やラムという語源についても諸説あり、定まっていない。
さらに日本国内におけるラム酒起源にも様々な見方が出来ると、僕は思っている。

気がついたら、八丈島に行って来た話はどこへやら。
回を改めて国産ラムの起源と、故郷・八丈島に行って見つけたモノの話を。

※『ひょっこりひょうたん島』のモデルと言われる島で1番大きな島は八丈島です!!

〜つづく〜